特集の傍流

2022.2.3

四季の彩りを感じながら、1年の福を呼ぶ縁起もの「団子木」。

2022年2月号(208号)山形の縁起もの
吉田園代表:吉田貴浩さん
山形県山形市

鮮やかな色とりどりの丸い花が枝に咲く、小正月飾りの定番「だんご木」。山形県内では冒頭のような呼称で親しまれているが、日本の各地では「餅花」と呼ばれていることが多いそう。だんごは水を吸い上げることから、火事除けの願掛けとして好まれる「みずき」や、頭を垂れた稲穂に見立てて、五穀豊穣の願いが込められる「やなぎ」の枝にさし、昭和30年代頃まではどの家庭でも福を招く縁起ものとして玄関や茶の間などに飾って楽しんだのだそう。

 

毎年1月10日に本町〜七日町通りを会場に開かれていた山形市初市。今年は文翔館広場にて開催された。

 

半月のだんごの断面を水で濡らし。枝を挟みながらくっつける。枝が華やいでいく過程も楽しい。

 

山形市初市の定番、いまでは唯一の製造業者

「山形市内でだんご木を作っている業者は私どもが唯一となったようです。祖父の代から続けて50年以上になります」とは代表の吉田貴浩さん。「現代の家屋は長押(なげし)がないので飾る場所が難しいとの声もあり、昨年から卓上や壁掛け用のものも作り始めました」という。

 

長押とは和室の壁面を囲む化粧部材で、その上に額などを立てかけて活用することができる。

 

吉田園では伝統的な4色のだんごを飾り付ける。春の若葉、夏の太陽、秋の稲穂、冬の雪を表し、四季を通してご利益があるよう願いが込められている。

 

枝につけていない状態の団子も販売。また団子木にぶら下がる「ふなせんべい」は全部で12種類。吉田園で作っているのは蕪や鯛、大黒様、宝船、小判、巾着など。いずれも原料は餅なんだとか。

 

現代の生活様式にあわせて、卓上用の団子木などバリエーションも増えてきた。

 

吉田園)山形県山形市吉野宿70

TEL 023-684-5250

2022年2月号(208号)
山形の縁起もの

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