特集の傍流
山形ビエンナーレ アートディレクター 小板橋基希さん
山形県山形市
前の記事に引き続き、「山形ビエンナーレ」を代表する方々からお聞きした話をご紹介。2回目の今回は、ビエンナーレに初回から携わる、デザイン会社「アカオニ」(山形市)の代表、デザイナー小板橋基希さんのインタビューだ。
今年のビエンナーレは、アートディレクターとして関わる小板橋さん。アートやデザイン、そしてビエンナーレとの関わりで、街や人々にも変化が生まれていることは先に更新した記事でも述べたとおりだが、その土地らしさをまとったデザインを生み出しながら、地域に根ざしたデザイナーとして活動している小板橋さんは、〝こうすればもっと山形は良くなるのではないか〟ということを感覚的に、または経験的に知っていらっしゃるのではないだろうか。そう考えたガッタ編集部は、彼へご意見をうかがってみた。
「もっと山形の自然や文化へ興味を持ち、自分たちが暮らす時間と場所を楽しむこと。それらについてみんなで話し合ったりして、楽しさを共有すれば、自分たちのコンテンツに自信を持つことにもつながって、この街が良くなるのではないでしょうか」
小板橋さんはそう話す。
「また、仕事や暮らしの中でon/offをしっかり持つことは大切ですが、onをもっと楽しむこと。たとえば、平日に軽くお酒を飲みながらみんなでランチをする日を作るとか、午前中休みの日を作って、ひと遊びしてから出社してみるとか、家でネットやテレビを見ている時間をもっと少なくして、家族も含めて、色々な人とコミュニケーションをする時間を増やすとか。そんなふうに暮らしを楽しむことで素敵なアイデアが溢れ、日常的に街の中で楽しいことが起こり、仕事にもつながると思うんです」」
その言葉を受けて考えてみると、「山形ビエンナーレ」はまさに、山形で過ごしていることを楽しむことにもつながるお祭りだ。自分たちの住んでいる環境や、そこで生まれる様々なコンテンツを知ることにもつながり、そこで知り合う人々と、その楽しさを共有できる貴重な機会でもある。
「今回の芸術祭にも、山形を様々な角度から捉えて表現した作品がたくさんあります。そうしたアートやデザインに触れることによって、自分たちの暮らしへの視点が刺激され、それがより日常を楽しむことに繋がるのではないでしょうか。また、作品を見てどう思うかも自由です。それが、自分で考え、意見を持つという自立した個性を作ります。みんなの個性がこれからの〝山形らしさ〟をつくっていけると良いですよね」と小板橋さん。
「ビエンナーレは〝また山形に来たい!〟と思ってもらえるようなイベントにしたいです。作品を楽しむとともに、山形を感じて満喫していってください」
(画像:アカオニが事務所を構える、とんがりビルの廊下にて)
時は江戸時代。書籍や文房具を幅広く揃えたメガブックストアの魁、『八文字屋』の歴史は、初代五十嵐太右衛門…
新年度になり心機一転、デスクの上を山形色に染めてみませんか。今月のgatta!は、ハマったら果てしなく…
かつて紅花の一大産地として栄えた山形。江戸時代には京都や大阪との交易が盛んに行われ、上方の文化がここ山…
今月のgatta!は「やまがた舞子」さんと「酒田舞娘」さんの姿を追います。その昔、山形県は紅花の産地とし…
車を降りた瞬間に、甘い香りが出迎えてくれる、文翔館裏のパティスリー&ショコラトリー『kotonowa』…
フランス出身のアンドリエス・ドニスさんと大石田町出身の清水憲子さん夫妻が「地元食材の素晴らしさや地元へ…