特集の傍流
昨年11月にユネスコ無形文化遺産に登録された、遊佐町に伝わる来訪神行事を探る。
遊佐町長 時田博機さん、遊佐町教育委員会
山形県飽海郡遊佐町
山形県の北部、秋田県との県境に位置する遊佐町は、古くは出羽国飽海郡遊佐郷として栄えた。鳥海山大物忌神社をはじめ、十六羅漢岩や旧青山本邸など、現在でも寺社仏閣や遺跡、旧家を通して、古い歴史を感じられる。
そんな遊佐町の海岸沿いにある吹浦地区の中で、女鹿、滝ノ浦、鳥崎という三つの集落に伝わる民俗行事が「遊佐の小正月行事(アマハゲ)」だ。この行事は、一月の初旬に、仮面や蓑を身につけてアマハゲに扮した若者が、集落の各家を訪れるもの。アマハゲは家人と新年の祝いを交わしたのち、子どもらを威嚇し怠け心を戒めたりするのだ。各家とアマハゲで餅の授受があることも特徴の一つで、厄災を払い、無病息災をもたらす来訪神と言われている。
遊佐町の海岸沿いの集落で、正月に現れる神様は、
世界にも認められ保護される、10の来訪神の一つ
「遊佐の小正月行事(アマハゲ)」は、1999年に国の重要無形民俗文化財に指定され、昨年11月にはユネスコ無形文化遺産に登録された。これは2009年に登録されていた、鹿児島県の「甑島のトシドン」に、秋田県の「男鹿のナマハゲ」など9行事を追加し、合計全国10カ所で行なわれている来訪神行事として拡張登録されたもの。ユネスコ無形文化遺産への登録は、山形県内では2016年の「新庄まつりの山車行事」に続き2例目となる。
アマハゲは観光行事ではなく、あくまで神事として、各集落でひっそりと行なわれてきた。山形県内どころか遊佐町内でも他地区の方には知られることが少ないアマハゲを紹介する。
2019年3月号特集「アマハゲをひもとく」。特集のレポートは順次更新していきます。お楽しみに。
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