特集の傍流

2020.1.4

観光地である蔵王の、謎めいた一面をさぐる。

2020年2月号(184号)蔵王のふしぎ。
山形大学 学術研究院(理学部担当) 柳澤文孝さん
山形県山形市

 山形と宮城の県境に位置し、温泉やウィンタースポーツをはじめ、夏のトレッキング、秋の紅葉狩りなど、四季折々の表情で人々を楽しませる蔵王連峰。それは奥羽山脈上に形成されたいくつもの火山が、長い時間をかけて次々に活動して形作られた。なかでも中央蔵王は今なお噴火の可能性を持っている。
 「蔵王」とは、天武天皇の時代(680年頃)に、大和国(現在の奈良県)の吉野山・金峯山より蔵王権現が勧請され、そう呼ばれるようになったという。また、古くから「不忘山(わすれずの山)」と呼ばれ、『古今和歌六帖』山の部にも、「みちのくの阿武隈川のかなたにぞ 人忘れずの山はさかしき」と登場する。
 蔵王の代名詞として知られているのが、特殊な気象条件と山に自生するアオモリトドマツが描く幻想美でスノーモンスターとも呼ばれる「樹氷」だ。全国的にも限られた地域でのみ見られる現象で、ロープウェイを使って触れそうなほどに間近まで気軽に行けるのは非常に珍しく、毎年、世界各地から訪れる多くの観光客を魅了している。
 やまがたに住む人々が、身近すぎるからこそ気がつかずに見落としている「蔵王のふしぎ」は実は多い。これまで以上に蔵王を魅力的に感じるために、歴史や自然の観点から、ひとつずつ紐解いていこう。

 

 東北地方の中央部を南北に連なる奥羽山脈の一部で、はるか昔から、我々の生活にも深く関わってきた蔵王。身近な山々には、私たちの知らない不思議が隠れていました。2020年2月号(1月5日発行号)特集「蔵王のふしぎ」。特集のレポートは順次更新していきます。お楽しみに。

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