特集の傍流

2020.5.7

食材の効果をより高めてくれる食べ合わせとは?合食禁も併せて紹介。

2020年6月号(188号)食べ合わせでもっと効く 山形育ちの発酵食
山形県栄養士会 会員 山形大学学術研究院准教授 楠本健二さん
山形県山形市 ほか

 規則正しい食事習慣は健康を維持するための基本原則だ。そして当然ながらカラダをつくる栄養素はひとつではないので、たとえ優れた発酵食品であってもそればかり食べ続けるのは間違い。タンパク質、食物繊維、糖質など、必要な栄養をバランスよく摂取することが大切だという。そこで、今回取り上げた山形ゆかりの発酵食品にひと手間プラスすることで、そのおいしさが栄養価的にもグンと増す方法をご紹介。誌面構成は、山形県栄養士会会員で山形大学学術研究院准教授の楠本健二さんにご協力いただいた。

 

納豆、味噌は熱に注意
酢は万能調味料

 食べ合わせの紹介に選んだ発酵食品は、納豆・ヨーグルト・味噌・酢の4つ。まず納豆はキムチとの相性が抜群。相乗効果で、納豆菌がキムチに含まれる乳酸菌の生存率を上げてくれるだけでなく、新陳代謝を促すカプサイシンも採れるのでダイエッターにもおすすめ。
 卵黄と組み合わせればビタミン(A・ビオチン)の摂取に効果があり、ちりめんじゃこと食べればカルシウムの摂取につながる。しかし、いずれも過度な加熱を行うと酵素(ナットウキナーゼ)が失活してしまうためNGとなる。

 

 朝食の献立にふさわしいイメージがあるヨーグルトだが、起きがけすぐに食べるのはNG。なぜなら朝は胃酸の活性が高いのでせっかく乳酸菌を摂っても菌が死にやすいのだという。朝食で食べるなら食後の最後に、または昼食やおやつタイムに食べたほうが良いそう。
 ヨーグルトを朝食で食べるなら、副菜や主食を食べた後なら大丈夫とのこと。また腸まで溶けずに移動する不溶性食物繊維のきな粉との食べ合わせは、便秘解消、鉄分補給の効果も期待できる。

 

ヨーグルトに蜂蜜を足せば善玉菌であるビフィズス菌も増える。また、乳酸菌のえさとなる食物繊維が摂れ、カリウム補強にもなるキウイとも相性抜群。長時間置くと苦味が出るのですぐ食べよう。

 

発酵で健康、
心身をポジティブに

 煮物でもなじみのある味噌とサバの組み合わせは、生活習慣病予防などが期待されるオメガ3系脂肪酸やビタミンDを効果的に摂れるので理想的。また、味噌と牛乳を組み合わせればカルシウムの摂取もできてコクも増すほか、味噌ミルクスープやクリームのようにも使えて減塩につながるのでうれしい。

 

 味噌は、発酵が進みすぎて酸味が出てしまう場合があるため、高温多湿での保管はNG。とくに塩味の甘い白味噌は発酵が進みやすいので、開封後は冷蔵保存して風味を保つのがベター。ただし冷蔵庫保管だと乾燥しやすいので、容器の蓋をする前にラップを使い密閉度を高めて防ぐのが得策。

 

 酢は煮ても和えても使えるオールマイティな発酵食品。とくに合食禁はなく、酢飯、酢漬け、酢の物、甘酢炒めと、レシピのバリエーションを豊かにしてくれる頼れる存在。高血圧予防のほか、ビタミンなどの吸収を助けてくれる働きもある。タマネギと合わせれば、フラボノイドの一種であるケルセチンの働きで血液をサラサラにしてくれる効果アリ。キュウリとならほかの食材のビタミン、ミネラルを効率よく吸収できるメリットが。

 

タマネギの入った酢豚は、栄養学的にも理にかなっているということになる。

 

 また、上記で紹介した以外にも、ご飯+酢はエネルギー源の吸収率を高め、疲労回復に。プラス牛乳ならカルシウムの吸収率を上げてくれるなど万能だ。そして味噌に麹を足せば風味と旨味が増し、塩分を控えておいしくいただける利点も。まさに発酵食品はカラダとココロにうれしいポジティブ食材。山形生まれの発酵食品を食卓にプラスしてみては。

 

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