特集の傍流
大沼養蜂 代表 大沼有一さん
山形県真室川町
山形県内で唯一ミードを販売している大沼養蜂の大沼さん。真室川町に住む大沼さんはもともと測量の仕事をしており、養蜂は趣味で行っていたそうだ。金山に住む親戚の養蜂を受け継ぎ約10年、大沼さんの活動は多岐にわたる。はちみつ作りはもちろんジャムや石鹸、民宿の経営も。どれも片手間というわけではない。一つ一つ真剣に向き合っているのは、大沼さんの語り口からも明らかだった。
ハネムーンの語源となったミード
1万4000年前に人類が出合った最古の酒とされるミード。古代・中世ヨーロッパのゲルマン民族の風習では、新婚直後の新婦は住居から外出せずに1ヶ月間蜂蜜酒をつくり、新郎に飲ませて子作りに励んだそうだ。その「蜂蜜酒の1ヶ月間」がハネムーン(honey moon)の語源になっている。はちみつには強壮作用があると言われ、蜂の多産にあやかれることから蜂蜜酒が用いられた。
さらに、多くの確率で第一子に男の子が生まれるとのこと。大沼さんの元にもミードを販売したお客さんから「子供ができました」という感謝のメッセージが届いたという。

ハニーワイン蜜月(赤)3,500円税込、(白)3,300円税込 はちみつのパッケージは山形市のデザイン事務所「アカオニ」が手がけており、ビジュアル性の高さから全国のメディアで数多く取り上げられている。
大沼さんが作るミードは二種類。白はシンプルな蜂蜜の味わい、赤はさらに果実酒を加えており、よりフルーティーになっている。紅白の色合いはお祝いのギフトにも重宝される。香りも味もほんのり甘い、幸せの味。幸せを一つ一つ噛みしめるように、少しずつ味わいたいお酒だ。くどくない甘さは、様々な料理の味に寄り添い、さらに惹き立てるだろう。アルコール度数は5%のため、お酒が苦手な方にもおすすめ。

大沼養蜂は明るい奥さんと夫婦二人三脚で経営。自宅は農家レストランや民宿になっており、山菜採りなどの田舎体験もできる。全て予約制。
養蜂をやってて良かったと感じることは、と訊ねると、「お客さんの喜ぶ顔を見た時が一番だ」と笑顔で語る大沼さん。はちみつの可能性を探る大沼養蜂の挑戦はまだまだ続く。
大沼養蜂)真室川町大字大沢5599-2 TEL/0233-63-2708 web/http://www.onuma-honey.com
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