チマタの話題

2018.7.12

最上に伝わる記憶を繋ぐ、交流と情報の“BASE”喫茶室。

2018年7月号(165号)掲載

昔懐かしい雰囲気、なのにいまの感覚が違和感なく味付けされた心地よさ。江戸時代から万(よろず)の商店が軒を連ねた新庄市万場町で、築100年以上の町屋を改修し、喫茶や小規模イベントのためのレンタルスペースとして再生された『万場町 のくらし』が2018年5月下旬オープン。地元の人たちが集い、学び、交流する場として期待される「喫茶+イベント+貸しスペース」だ。

 

きっかけとなったのは、最上地方でまちづくり・担い手づくり・空き家再生・観光情報発信などに取り組むまちづくり団体、一般社団法人『最上のくらし舎』が始めた空き家活用のセミナー。交流や話し合いを重ねるごとに、受講者の繋がりとアイデアが膨らみ、リノベーションや業態の計画が具体化していったという。「“私のくらし、あなたのくらしが充実することで、地域のくらしが豊かになる、そんな願いを込めて”を理念として、最上地方や新庄旧市街の良さを見つめ直す拠点のひとつになれればと思っています」とは、地域おこし協力隊OGの吉野優美さんと、建築家の加藤優一さん。『のくらし』の運営を担う『最上のくらし舎』で、共同代表を務めるおふたりである。

 

店前から見える界隈には、万(よろず)の商店に人が集った時代の名残がそこかしこに。

 

仕立屋を営んでいた町家の素地を生かしたリノベーション。

 

『のくらし』では、生産者の顔がみえる最上地方ならではの食材を使った料理をはじめ、週末限定シェフの特製メニュー、一日限定のポップアップ居酒屋などを企画するほか、地域に係る「学び」「伝承」を軸に、勉強会、ワークショプ、演奏会など多様なイベントも開催しており、今後も運営の柱として継続していく予定だ。また、Wifi・電源・プリンタ、プロジェクター等も完備しており、コワーキングや通り土間を活かしたギャラリー利用など、多様な展開が期待できる貸しスペースとしての役割もそなえている。

 

「先人の記憶をつなぎつつ、地域や世代を超えて“みんなのくらし”を支える場にしたいと思い、『のくらし』と名付けました」とは、優美さん。交流や情報の“BASE(拠点)”として人と人とが共鳴し、そこから新たな創意が生まれていくことにも期待したい。

 

季節の花が飾られた店内に、控えめの音量でささやくように流れるアナログレコードのBGM。

 

ギャラリースペースに飾られたイラストは、近所の小学生が「わたしも何か店づくりを手伝いたい」と施工現場で描いてくれたもの。

 

調度品もディスプレイも、町家や当地に由縁のあるものを手入れして再利用。

 

ハンドドリップコーヒーと、熱々のくぢら餅にマスカルポーネを添えた甘味など各400円から(2018年6月現在)

 

手作りした『万場町 のくらし』の大きなロゴ判子。山形県のカタチをも連想させる。

 

万場町 のくらし

山形県新庄市万場町5-16
0233-29-7230
10:00〜18:00
定休:毎週水曜、日曜


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