チマタの話題
河北町商工会が、全国商工会連合会の補助金やクラウドファンディングなどを活用し、開店準備を進めていたアンテナショップ『かほくらし』が、1月11日に東京の三軒茶屋でグランドオープンを迎えた。同日に行われた開店式典では、同町出身のヴィジュアル系演歌歌手、最上川司さんが1日店長を務めるなど、大きな賑わいを見せた。
店舗は木造2階建ての物件を改装。1階のセレクトショップ「雛音(ひなの)」には、町産の野菜や果物、加工食品、雑貨など約300点が並び、2階のビストロ割烹「華音(かのん)」では、昼は名物の冷たい肉そばや肉中華、夜は地酒や町産品を使った料理を楽しむことができる。

1階「雛音」の様子。物販、2階「華音」ともに、三軒茶屋で山形の郷土料理を堪能できる飲食店を展開する株式会社和音人(わいんびと)が、河北町商工会より業務を委託されている。

最上川司さんがプロデュースした「かほく冷たい肉そば(お持ち帰り用)セット」は、パッケージデザインも最上川さん本人が手がけた。郷土愛あふれる品々を提供する店内は、土日になると多い時で1日約100名の客が訪れるという。

新鮮な野菜はもちろん、山形県産生乳を使用した「紅花の里から のむ!ヨーグルト」も人気なのだとか。
地方創生への熱い想い。伝えたい「河北らしさ」とは。
首都圏への情報発信はもちろん、町内商工業者の販路拡大をも目指す『かほくらし』。「河北の暮らし、ありのまま」をコンセプトに、店名も、河北らしさを伝えたい、町で暮らす良さを知ってほしいという願いからつけられた。
会社設立初期から「かほくイタリア野菜」などの町産食材や、河北町の蔵元、和田酒造や朝日川酒造の地酒を取り扱ってきたことはもちろんだが、「〝河北らしさ〟を出すために毎月河北町へ足を運び、店の方々からそばや肉料理などを学びました」と教えてくれたのは株式会社和音人、代表取締役の狩野高光さん。2階「華音」の人気メニュー、「本日の千日和牛-ステークフリット‐」(その日ごとに異なる部位を時価で提供)や「千日和牛と庄内豚の三茶芋煮」、「かほくイタリア野菜と種からすごい野菜のサラダ」など、河北町という土地が醸す味を〝だし×フレンチ〟をテーマに表現している。

2階にあるビストロ割烹「華音」の様子。

「華音」では河北町名物の冷たい肉そばも提供する。ランチ時800円、ディナー時はサイズ小さめで780円(ともに税込)。
「華音」のメニュー数は全35品(2019年1月現在)。河北町産の食材を15品使っている。
「ここ三軒茶屋の人にとって、無くてはならないような店にしていきたい」と語ってくれたのは、1階「雛音」の店長を務める菊地裕明さん。「あの店に行くと、いつも面白いものがある。美味しいだけでなく、他に無いものを置いているというように、一人でも多くの人が河北町に興味を持って町に来ていただければうれしい」と続ける。今後は、町産品をつくる生産者を店舗に招き、直接その想いを話してもらう機会を作っていきたいという。

1階「雛音」店長の菊地さん。
イタリア原産の野菜の栽培に取り組んだり、著名デザイナーとコラボした特産品のスリッパがグッドデザイン賞を受賞するなど、古いものを守るだけでなく、常に未来に向けて挑戦し続けている河北町。そんな「河北らしさ」に思いを馳せながら、此度の新たなチャレンジを応援していきたい。

かほくらし
電話:1F/雛音 03-5779-4045 2F/華音 03-5779-4055
営業時間:1F/雛音 10:00~19:00 2F/華音 ランチ 11:30~14:30 / ディナー 17:00~24:00
定休日:1F/雛音 不定休 2F/華音 月曜日
ゆったりとした空気と皿のなかのガストロノミックな緊張感が調和する、新鮮な感覚。山形市青田の閑静な住宅地内…
サムネイルPhoto:山本康平(https://kohei-yamamoto.com) *…
県民の皆さんに様々な視点から山形の魅力を伝えることで、山形県の県内周遊を活性化させるプロジェクト『わたし…
山形市の伝統的工芸品「山形桐箱」を手がける、『有限会社よしだ』のブックケースが、昨年末に開催された「に…
一昨年の8月から大規模改修工事を進めていた山形県立図書館が2月1日、リニューアルオープンした。1.4倍…
煌めく湖面と折節ごとに様々な景観を見せる尾花沢市の徳良湖は、百年前に約三万人の工夫が土を固める土搗きで造…