チマタの話題

2019.7.8

「土門拳」の生涯を俯瞰する展示会。

2019年8月号(178号)掲載

 酒田が生んだ世界的なリアリズム写真家「土門拳」。酒田市名誉市民第1号となった土門は、受賞の席上で突然「自分の作品は全部酒田市に寄贈します」と言い市民を驚かせたという。酒田市はそんな土門の想いに応え、1983年に世界でも珍しい一人の作家をテーマにした写真専門の美術館『土門拳記念館』を完成させた。最上川河口の左岸、緑豊かな飯森山の公園に佇む記念館には、「古寺巡礼」や「ヒロシマ」、「筑豊のこどもたち」など生涯撮りおろした約7万点の全作品が収蔵され、その保存を図りながら順次一般に公開している。

 

「土門拳」の世界観がわかる、生誕110年を記念した展示会。

 生誕110年を迎えた今年。生涯に渡り撮り続けた世界観を凝縮した展示会「生誕110年土門拳 鬼が撮った日本」が、7月19日から9月23日まで『土門拳記念館』で開催される。

 

土門拳の大作が並ぶ主要展示室。企画展示室と合わせて3つのスペースで特別展やギャラリートーク、ワークショップなどが開催される。8月31日(土)には、堤勝雄氏を語り手に迎えトークイベント「弟子が語る土門拳」が行われ、9月27日から12月22日にかけて、生誕110年記念展の第2弾として「古寺巡礼名作セレクション」が予定されている。ほかの展示スケジュールはHPを参照。

 

「今回は最初の作品から晩年の作品まで、テーマごとに7〜8点の作品を展示し、土門の人生を俯瞰できるような構成になっています」と語ってくれたのは学芸員の池田佳奈さん。徹底したリアリズムにこだわった報道写真や、寺院仏像など日本の伝統文化を独特の視点で切り取った作品、社会的に大きな反響をもたらしたルポルタージュの名作、土門のライフワークともいわれる作品が一堂に会する。写真の“鬼”と呼ばれた、恐ろしいまでの情熱や執念が感じられるまたとない機会。その溢れるメッセージをあなたの目で感じてみて。

 

深い親交のあった亀倉雄策、イサム・ノグチ、勅使河原宏、草野心平ら芸術家たちが寄贈したオブジェなどが芸術的趣を一段と高めている。

 

 

谷口吉生が設計した自然と協調させた建物目当てに訪れる人も多い。

 
 

公益財団法人 土門拳記念館

山形県酒田市飯森山2-13(飯森山公園内)
電話/0234‐31‐0028
開館時間/9:00〜17:00
http://www.domonken-kinenkan.jp


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