チマタの話題
各地の表現者とモノが集う合同展示会&マーケット。
旅と手しごとをテーマにした年一度の合同展示会&マーケットで、今回で5回目をかぞえる、「TRACING THE ROOTS 2019 -旅と手しごと-」が9月5日(木)から9月8日(日)まで、銘木倉庫をリノベーションした複合型スペース東京・新木場の「CASICA(カシカ)」で開催。
当企画を主催する『マザーディクショナリー』の尾見紀佐子氏らが、全国各地を旅して出会った表現者(モノの作り手)とともにつくりあげる催しだ。先人の知恵や美意識をなぞり、これからの時代にこそ必要なプリミティブで普遍的なものとは何かを探りつつ、各々の感性で象った作品たち。作り手との対話を通し、モノから生まれる“コト”への掛りあいを感じられる内容だ。

狩猟、養蜂、物作りで活動する「meguru」のカトラリー「巡る命」。写真提供/mother dictionary

旅のカケラを繋ぐバッチづくりワークショップ「Acchi Cocchi Bacchi」写真提供/mother dictionary

生命に対する好奇心をエネルギーに、フェルトなどの繊維素材でオブジェをつくる「山本彌」の「飄導(ヒョウドウ)」写真提供/mother dictionary

山形県からは小国町のかご細工「kegoya」が「botanical basketry」で参画。写真提供/mother dictionary
貴重なアマゾンの生活工芸品に「自然と人間の共生」を感じる。
今回は特別展示として、民俗学者であり前アマゾン民族館館長(鶴岡市国際民俗資料館)の山口吉彦氏が、1970年代にアマゾン流域に暮らす30以上の部族と生活を共にするなかで物々交換などによって収集した、約2万点にもおよぶ膨大な生活工芸品コレクションの一部を展示。
量・質ともに個人収集としては世界一のコレクションといわれる山口氏のアマゾン民俗資料は、現在そのほとんどが出羽庄内国際村内の収蔵庫に保管されているが、鶴岡市の行革の一環により、それらすべてをどこか別の場所に個人で移動させなければいけないことになっている。このような状況にある資料群を、別の場所で、別の光のもとにあて、その深い輝きを見つめる意図をもって企画された特別展といえる。
併せて9月6日(金)には、山口氏と、山形県鶴岡市で地域や山伏文化の活性化をはかる「日知舎」の成瀬正憲氏と山口氏両人を迎えてのトークショーも開催される。また、昨年まではバイヤーやプレス限定のプログラムもあったが、今回は全ての日程で一般の入場・参加が可能に。多彩なワークショップも予定されており、トークショー共に事前予約制となる。
●mother dictionary
代表の尾見紀佐子氏を中心に、既成概念から解き放たれた女性の子育てを探り新たな視点を提案する、地域交流施設や親子支援施設の運営、ワークショップ・企画制作・イベント・編集・プロデュースなどを通して活動。

山口吉彦氏/1942年、山形県鶴岡市生まれ。文化人類学研究者。前アマゾン民族館館長。67年頃からフィールドワークを始め、アジアやアフリカなど85カ国を回る。71年からアマゾン流域の調査を開始。

成瀬正憲(日知舎)/山形県鶴岡市で、山伏文化の活性化、地元の手仕事のリデザインと流通、教育機関での文化人類学講師、地域文化の調査研究とそれにもとづく表現活動を行う。写真提供/日知舎

会場となる東京新木場の「CASICA(カシカ)」。写真提供/mother dictionary、CASICA

会場となる東京新木場の「CASICA(カシカ)」。写真提供/mother dictionary、CASICA

TRACING THE ROOTS
info@motherdictionary.com
11:00〜18:00(期間中)
無休(期間中)
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