2026年2月号(256号)
特集|それいけ!ウマガタケン
山形県内全域
2026年は午(馬)年。時刻や方角を十二支で表現してきた日本人にとって、“午”の漢字は慣れ親しんだ存在だ。そんな午年らしい県内にある馬の話題をテーマ別に集積。覚えておきたい馬のことわざと、話したくなる馬情報をお届け。
年始の恒例干支にちなんだ話題を
卑弥呼が没した後、3世紀後半から約350年の間続いた古墳時代に、朝鮮半島から伝来したと推測されている「馬」。5世紀頃には飼育が定着していたとみられ、日本各地の遺跡からその形跡が出土している。東北では岩手県南部や青森県北部が国内有数の馬産地だった歴史がある。
山形県内では最上町(旧小国郷)の小国馬産が有名で、小規模ながら江戸時代から250年も続いた馬産地であった。盆地の周囲に丘陵が発達し、馬糧の確保や馬の放牧に好都合な風土であることと、新庄藩が馬産を推奨したことがその背景にあり、最盛期の明治時代後半には向町馬市で年間270頭ほどの馬が競りにかけられていたという。※1
※1/参考資料:「馬」が動かした日本史(蓮池明宏・著)、山形県県史だより第24号特別寄稿小国馬産小史(伊藤和美・著)

令和8年は60年に一度の丙午の年
強い火を表す十干の丙(ひのえ)と、こちらも火の性質を持つ十二支の午が組み合わさった、60年に一度の丙午。火の力が重なることで、エネルギーに満ち溢れた年になるとされている。一方「丙午年生まれの女性は気性が激しく、夫の命を縮める」という迷信が広まり、60年前の1966年(昭和41)は子どもの出生数が前年に比べて25%※2も減ったという事実も。逆手に考えれば、高校や大学受験に受かりやすいなどのメリットにも受け止められるがいかがなものか。今回の特集では馬にまつわる語源やことわざをあらためて学びつつ、山形の馬スポット、行事、地名など、さまざまな話題をお届け。ぜひ馬づくしの一年となりますように。
※2/1965年出生数182.4万人、1966年同136.1万人、2024年同68.6万人(厚生労働省統計情報部「人口動態統計」より)
語源が馬に由来する知っておきたい日本語
馬が合う
友人や同僚などと話が合う、気が合う、何かと相性が良いという意味で使われる。乗馬の乗り手と馬のように、息を合わせて走れば良い結果を得られることから生まれた言葉。

illustration: hal.
羽目を外す
度を越した言動を指す表現で、勢いづいて通常の制約や規律を無視し、自由奔放に振る舞っている状況を表す。羽目とは馬をコントロールするために、手綱とつないで口に咥えさせる馬銜(ハミ)が語源となっている。

名馬に癖あり
すぐれた才能を持つ人には、強い個性や癖があることが多いというたとえ。個性がなくおとなしい人は、非凡な働きはできないという意味も含まれる。名馬と言われる馬には、なにかしら癖がある場合が多いことが語源となっている。

illustration: hal.
拍車がかかる
すでに進行している物ごとが、何らかの刺激を受けて加速度を増していく様子を表すことのたとえ。拍車とは騎手が靴の踵に取り付けて、馬の腹を刺激し速く走らせるための馬具。

火事場の馬鹿力
火事が起こった時に、あり得ない力を発揮して重い物や大切な物などを持ち出したりすることから、切羽詰まった状況に置かれると、普段以上の力が無意識に出ることのたとえ。

illustration: hal.
馬ことわざ解説 3連発
駆ける馬にも鞭
その言葉の通り、勢いよく走る馬にさらに鞭を打つことで、いっそう速さを増す様子に由来する。転じて、物事がうまく進んでいるときこそ後押しすること、そして努力を重ねる人に対しても励ましを忘れてはならない、という教えが込められている。
馬には乗ってみよ、人には添ってみよ
馬の良し悪しは乗ってみなければ分からず、人柄の良し悪しもつき合ってみなければ分からない。何事も経験してみなければ本当のことはわからないので、世間の評価に惑わされず自分の目で確かめたり、体験することを大切にしよう、という意味。
老いたる馬は道を忘れず
年老いた馬はたとえ足が弱っても経験がそれを助け、来た道を忘れないという意味。人も同じで、多くの経験を積んだ人は困難な状況にあっても迷わず適切な判断を下し、行うべき道理や進むべき道をよく心得ているという教訓を表している。

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