物流や文化で街を発展させ、私たちの暮らしを支えてきた大河を肌で感じてみよう。

2023年6月号(224号)
特集|最上川のプレイフィールド
最上川上流〜下流域

最上の名を冠する川“もがみがわ”馴染み深いその呼び名、母なる大河を遊び場として、新緑のプレイフィールドを愉しもう。上の写真は西村山郡朝日町内の最上川。

その流域には県人口の8割が暮らす

同一県を流れる川の長さとしては日本一、流域には山形県の人口の8割を超える人々が暮らす「最上川」。西吾妻山を水源地に、途中400以上の支川を集めてひとつの大きな流れを作っている。山形河川国道事務所の「最上川電子大辞典」によると、その起こりは500万年前に遡る。地殻変動が繰り返されるなかで、米沢盆地から陸化が始まり、山形盆地、出羽山脈の隆起によって、やがて内陸各盆地の湖沼群をつなぐ流れが生まれてくる。その後、地盤沈降や氾濫を繰り返しながら、次第に現在の姿になったという。

四季の変化に富んだ美しい景観は、かの俳聖松尾芭蕉をはじめ、正岡子規や歌人斎藤茂吉、画家の小松均、真下慶治などの芸術家をも惹きつける。

経済の大動脈として大きな影響をもたらした

そうした誕生の経緯から「100万年前から流れている」とも言われている最上川だが、源流から河口までおよそ3日から5日かけて流れて行くのだそう。
 鉄道や陸路の交通機関が発達していない時代は、荷物を運ぶ手段として舟が活躍しており、最上川はまさに経済の大動脈であった。江戸時代には盛んに上方へ物資が運ばれ、交流は経済だけにとどまらず、人々の暮らしや文化に大きな影響をもたらした。

暮らしに不可欠な存在〝最上川〟でどう遊ぶ?

かつて舟運で栄えた最上川は現在、私たちの暮らしのなかに息づいている。生活用水や農業用水、水力発電、工業用水として、私たちはその資源の豊かさに日々あやかっているのだ。
 今回の特集では、最上川の歴史やスペックに触れることで、身近にあって当たり前の感覚から、なくてはならない存在であることを確認し、さらにはどのように関わりを持つことができるか探る手立てとしたい。新緑が水面に映え、青々とした清涼な空気を大きく吸い込めるようになったいま、歩く、戯れる、乗るなど、さまざまなスタイルで楽しめるプレイフィールドとしての最上川を満喫してみよう。上流、中流、下流域、それぞれの魅力とブレイクポイントに迫る。

四季の変化に富んだ美しい景観は、かの俳聖松尾芭蕉をはじめ、正岡子規や歌人斎藤茂吉、画家の小松均、真下慶治などの芸術家をも惹きつける。

gatta! 2023年6月号
特集|最上川のプレイフィールド

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