表紙の小さな物語

2016.8.17

遊び場は近所の公園、わんぱく盛りのまぶしい笑顔。

2016年9月号(143号)表紙

夏の陽射しがまぶしい7月下旬の週末、髙橋一護(いちご)くん(3歳)たち一家と自宅近くにある公園で待ち合わせ。予定時間の30分前に到着した私たちを迎えてくれたのは、もうすでに公園で遊んでいる一護くんとその家族だった。この公園は自宅が近くよく遊ぶ場所ということで、いわば一護くんのホームグラウンドである。

 

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子どもにとってはgatta!の表紙撮影なんて関係なし。公園に来たらひたすら走って遊ぶのが子どもの本分というものだ。挨拶と自己紹介が終わると、さっそく公園のあちこちに走り出す一護くん。それを追いかけるカメラマンも必死。私たちが公園に到着する前から遊んでいた一護くんだが、どこまでも走り続ける体力は大人のそれとは桁が違うものだと感心してしまう。「いっくん!」遠くから呼ぶお父さんとお母さんの声も耳に入らないほど、公園のなんでもない植え込みやベンチが遊び場になっていく。

 

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弟の來夢(らいむ)くん(1歳)は、一護くんとは対照的にシャイな性格で、私たちが訪れてからは終始お母さんにだっこの状態。でもやっぱりお兄ちゃんと同じことをしたいという気持ちがあるらしく、お兄ちゃんと合流し遊びだした。家でも兄弟の仲は良いというが、おもちゃの取り合いでケンカになることはよくあることらしい。しかし、この公園では足もとの悪いところにいる弟にやさしく手を差し伸べるやさしいお兄ちゃんだ。

 

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公園の中央にある水飲み場の蛇口をひねり、水を勢いよく出してみた。しぶきになった水の軌跡は、一護くんの身長より高く吹き上げ、ビチャビチャと地面を叩いた。身を乗り出し、しぶきに手を伸ばす一護くん。ちょっと腰が引けていたが、指先でしぶきをとらえるとあっという間にスボンの裾が水で濡れてしまった。急いで水しぶきから逃げるものの「服ぬれちった!」と、ちょっと困った表情に。「大丈夫だ〜、天気がいいからすぐ乾くよ」と言葉を返すと、またさっきまでの笑顔に戻った。

 

虫が好きだという一護くん。公園内でもアリや小さな虫を見つけては座り込むことも。「ネズミ!ネズミ!」という一護くんの声にドキッとして見てみると、それは「ミミズ」の亡がらだった。「ネズミ」と「ミミズ」を言い間違えていたのだ。その場を離れた一護くんは、近くから小さな葉っぱを持って来てミミズの亡がらにかぶせた。天国に行けますように…子どもの小さな優しさが、なんだか嬉しく感じた。

 

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時間が遡るが、私たちが撮影のため集合場所に向う途中、天童市のバイパス沿いにひまわりが群生する場所を見つけた。夏らしい鮮やかな黄色が青空に映え、まさに夏景色そのもの。予定にはなかったのだが、そのことを髙橋さん一家に伝えると、そちらでも撮影をしてみようということになった。車に分乗し向ったのは、天童市梨ノ木、国道13号沿いにある「ひまわり迷路」だ。干布(ほしぬの)地域づくり委員会が制作しているもので、毎年7月下旬から8月中旬ぐらいまで一般公開されているという。

 

身長よりはるかに高いひまわりの迷路に、はじめはおっかなびっくり。意外と慎重な一護くんはなかなか前に進めずにいたけれど、カメラマンを水先案内人に歩くうち、徐々に慣れてきた様子。迷路終盤、こちらに向かって笑顔で駆けてきた一瞬が、今号の表紙となった。通り抜けた後はさすがに疲れたのかちよっと休憩モードに。最後はひまわりをバックに一家4人で記念撮影。まだ遊び足りない様子の一護くんに、お母さんから「いっくん、アイス食べに行こうか?」の一言。冷たいごほうびにニコッと笑顔の一護くん。こんな暑い日にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

2016年9月号(143号)紡いで織りなす想い
表紙モデル:高橋一護さん(3歳)
山形県天童市

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