特集の傍流
世界最先端の「有機材料」研究を高めるために、走り続ける人たち。
山形大学工学部副学部長 伊藤浩志さん
山形大学工学部
山形大学工学部の城戸淳二教授が、世界初の白色有機EL素子を開発したのが1993年。以後、有機エレクトロニクス研究分野においては世界の注目を集める存在に。有機材料の研究に関しては、6つの研究施設と8つの研究センターが集積し、世界的な研究拠点でもある、山形大学工学部。有機材料を利用した各分野の研究開発からモノづくりの具現化まで、将来を担う技の光がここに宿り育っているのだ。
理系の研究開発が、山形にもたらすものとは?
山形にそうした研究機関があるメリットについて同大副学部長(大学院有機材料システム研究科長)の伊藤浩志教授に話を伺った。「もともと山大工学部の強みであった繊維分野、染色技術の研究から有機材料研究の基礎がスタートしています。そうした伝統、歴史も踏まえて我々の施設は有機エレクトロニクス研究開発においては世界でもトップ10に入る機関です。地の利を活かして実践研究用のセンターも構えているので、基礎から製品を具現化する応用研究まで一貫して携われること、また地域雇用の創出という点もメリットではないでしょうか」

山形大学・大学院有機材料システム研究科長でもある伊藤さん。やまがたが誇る、次世代につながるモノづくりへの取り組みと展望を熱く語ってくださった。
有機エレクトロニクス、将来どう役立つ?
「本学には有機ELをフロントランナーに、有機トランジスタ、有機太陽電池の研究という大きな柱が3つあります。有機ELは携帯電話やテレビなどのディスプレイとしてLEDに代わる技術。またトランジスタはあらゆる電子回路を支える技術で、最近はライフケアのセンシング分野での開発が期待されています。太陽電池は蓄電研究、特に自動車産業に関わる分野で注力しています。県内にも各分野の関連企業がたくさんありますし、我々の有機材料研究がこれからの山形、日本のモノづくりを発展させるチカラになるよう続けていきたい。世界最先端の研究機関であるゆえに後ろは振り向けないんです」と伊藤副学部長。山形発の有機材料研究が世界を席巻する未来はもうすぐそこまできている。
ブレイクスルーの鍵となる3つのこと
1.伝統に裏打ちされた進化、時代を読む
2.山形の地の利を生かした応用研究と実践
3.人材と環境のメリットを活かす
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