特集の傍流

2018.12.11

来年もその先も、山形が紅花の里であり続けるには。

2019年1月号(171号)山寺と紅花文化。
山形市高瀬紅花生産組合 組合長 石山慶昭さん
山形県山形市

「紅花の里」として知られる山形市高瀬地区。栽培面積は150アールほどだが、高齢化で生産者は減少傾向にある。生産者らでつくる高瀬紅花生産組合長の石山さんは、「担い手を探すことが至上命題。今は日本遺産の認定を受けて紅花の評価が高まっただけで、それをどう利用するかを考えなければ」と話す。

 

山形市高瀬地区の紅花畑。7月上旬に見頃を迎えるこの紅花畑の景観も、今回の日本遺産を構成する要素のひとつとなっている。(写真提供/石山慶昭氏)

 

石山慶昭さん/山形市高瀬紅花生産組合長。紅花をはじめ多種多様な作物を育てながら、紅花の担い手を少しでも増やすため奮闘中。

 

 現在、高瀬の組合員数は17名。生産者を増やすために呼びかけを行っているが、紅花は連作障害が出る植物で、育て続けるには畑を変え続けなければならない。土壌消毒という方法もあるが薬も高く、そのための労力も必要。当然だが、労に見合うものがなければ紅花だけを専門に担っていくのは難しいのが現状だ。

 

摘み取った紅花を検品している様子。組合員は女性が多く、花びら一枚一枚を入念に見る細やかさが求められる。(写真提供/石山慶昭氏)

 

高瀬の組合員が作った紅餅(干花)。(写真提供/石山慶昭氏)

 

 それでも高瀬の紅花を買い求める人は数多く、紅花なくして高瀬は語れない。
「今は、やめないで来年も花を作ろう、種をまこうということが生きがいにつながっています」と石山さん。同組合は毎年7月に行われる「山形紅花まつり」で切り花や乱花を販売し、春先には紅花の種を無償で配っている。地区で紅花を趣味で育てる人も増えているという。

 

2018年の「山形紅花まつり」にて販売した紅花の切り花。毎年多くの人が買い求める。(写真提供/石山慶昭氏)

 

毎年配布している紅花の種。

 

 

「紅花は半夏生(※1)の頃に必ず一輪だけ花が咲く。これは本当に感動もので、自然の不思議です」と石山さんは話す。その光景を今後も見られるよう、今はできることを積み重ねていくしかない。

 

※1 夏至から11日目のことで、太陽暦では7月2日ごろ。

 

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