特集の傍流
ハッカの風再びプロジェクト/高擶薄荷爽草の会、THEATER SIDE CAFE SLOW JAM
山形県天童市、山形県山形市
ハッカは、国内では湿地や川辺、原野などに自生し、注意深く観察すれば天然の和ハッカを入手することも可能だ。しかし気軽に楽しむ場合は、山野草を扱う園芸店で苗を購入するのがおすすめ。繁殖力が強いので、地植えでなく鉢植えやポットに植え付けると育てやすいとのこと。
気づけば傍にあるハッカ。この夏、もっと取り入れてみませんか?
近年話題にのぼることも多いハッカ油としての利用では、入浴剤に入れたり、防虫剤として使ったりという方法がよく知られている。ジメジメした季節を気持ちよく過ごすための万能アイテムといえそうだ。

地元の親子連れによる、ハッカ油を使ったフレグランス、防虫スプレーづくりの様子。無水エタノール、精製水、ハッカ油を使って作る。

また、シソ科であるハッカの葉は食用であるため、天ぷらにしたり、〝だし〟に、シソの葉を加える要領で刻んだ葉を加えてもスッキリとした清涼感が生まれる。古くから生薬として利用されてきただけに、消化不良や胃もたれの改善にも役立つ効果もあるとのことなので、こんな夏こそ頼りたい食材かもしれない。

グラスにハッカを多めに入れて、冷たい水を注ぐだけでも、ハッカの成分がわずかに溶け出してミントウォーターならぬ「ハッカウォーター」のできあがり。
前出の長谷川さん一押しの食べ方は、「豆腐のハッカ巻き」とのこと。韓国料理にある「エゴマの葉の醤油漬け」から着想を得たといい、味付け海苔でご飯をくるんで食べるときの要領で、食べやすいサイズに切った豆腐に醤油漬けしたハッカの葉を巻いていただく。味、香りともにやわらかい和種ミントならではの爽やかな食べかただ。

豆腐のハッカ巻
また、取材時にお邪魔した高擶公民館では、ハッカを使った白玉のスイーツづくりも行われていた。モチモチとした白玉の感触にハッカの葉の食感と清涼感が加わり、手軽に作れる夏のデザートにぴったりだ。

白玉粉に、つぶした豆腐を加えて混ぜることで栄養価もアップ。

細かく刻んだハッカの葉を入れて捏ね、食べやすい大きさに。


沸騰した湯でゆでたら、氷水で冷やす。

器に盛り付けていく子どもたち。


あんこや黒蜜などをかけて、完成!
さらに今回は特集のタイアップ企画として、高擶薄荷爽草の会とSLOW JAM(山形市)のコラボレーションが実現。2019年8月末までの限定で〝高擶ハッカ〟を使った「ハッカシロップ」のドリンクと「やまがた冷やしフォー」を楽しめるので、そちらもぜひお見逃しなく。

「やまがた冷やしフォー」は、さくらんぼ鶏の胸肉と本場ベトナム南部産のフォー麺を使用。鶏出汁のスープにハッカが絡み、清涼感のある仕上がりに。好みでパクチーを添え、ライムを絞ってどうぞ。

8月限定で楽しめるハッカシロップのソーダ割(左)と、ハッカシロップ×甘夏のコンフィチュール(右)。アルコールの有無を選ぶことができ、高擶ハッカならではの爽快感が味わえる。
高擶ハッカに関する問い合わせは高擶公民館(023-655-2052)まで。
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