特集の傍流

2020.3.5

西置賜行政組合唯一の女性消防士、一年生です。

2020年4月号(186号)わたし、◯◯一年生。
西置賜行政組合消防本部 佐藤真由さん
山形県長井市

 山形で新しく事業を始めた人、その業界や分野で新たな挑戦を始めた人など、春を前に元気や期待が湧いてくるような、未来を感じる話を紹介する今回の特集「わたし、◯◯一年生」。最初はこの人から。

 

   
災害現場で活躍する救急救命士の姿に感動。
そのとき心に宿した〝夢〟を叶えました。

 9年前、東北地方を中心に日本列島が大きな被害を受けた東日本大震災。当たり前だった日常が一挙に失われてしまったあのときの状況を、当時中学2年生だった佐藤真由さんはテレビを通して見ていたという。
「素早く現場に駆けつけて、被害に遭われたかたの対応に追われる救急救命士の姿が目に飛び込んできました。懸命に人命を守る素晴らしい仕事だなと感じました。それまでは看護師をしている姉の影響もあり、将来は私も医療関係の仕事に就こうかなと漠然とした思いがあっただけなんですが、一気に〝夢〟が見つかった気がしたんです」

 

佐藤真由さん)酒田市出身、1996年生まれ。2019年11月より西置賜行政組合初の女性消防士として勤務。配属から50件以上の救急出勤を経験。また消防士として火災現場も踏み、活動にあたっているという。

 

 佐藤さんは高校を卒業後、県外の専門学校に通って救急救命士の資格を取得。その後はアルバイトをしながら公務員試験に挑み、2019年の春、西置賜行政組合に採用。さらに県消防学校初任科、公立置賜総合病院の実習を経て、同年11月、同組合消防署第一課に配属された。配属から半年弱、学校や研修で培った知識や技術を実際の現場で生かせているだろうか。
「いまの段階では平常心で対応できていると思います。もちろん緊張する場面はありますが、先輩がたの的確なサポートもありますので」と頼もしい。

 

 

現在山形県内にいる消防士のなかで、女性の割合はおよそ1.25%(平成30年4月1日現在)。「我々は毎回違う現場に赴きます。その状況下で落ち着いて行動できていると思う」と先輩隊員の評価も。また「出動となったら着替えるのは誰よりも早い」のだそう。

 

西置賜行政組合消防本部の消防職員数は110名。長井市、小国町、白鷹町、飯豊町の1市3町で構成され、1,439㎢・約5.9万人の人々を災害から守り続けている。

 

「ただ、どうしても身体的な面では男性隊員との差を感じる場面もあります。ですので、私は救助されるかたにも先輩隊員にも気を配り、つねに女性目線を忘れずに日々の現場で活かしていきたいです。たとえ緊急であっても女性傷病者にとって異性には見られたくない部分があるかもしれません。私がいることでそうした不安や苦痛を和らげることができたら」と話してくれた。

 

消防車を背に、我々取材班へ日頃の決意を語る凛々しい姿が、今号の表紙になった。

 

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