城跡から辿る山形の歴史。身近に残る、遺構をたずねて。

2024年7月号(237号)
特集|城郭の記憶
山形県内全域

戦国時代の終り頃。武将たちによる覇権争いが混戦を極めていく。南出羽もまたしかり、最上義光と天童頼貞の争い、介入する大宝寺義氏。そんな国盗り合戦の要となった山城や、いまなお面影を残す城郭の遺構を訪ねて、山形の歴史の側面に触れてみる。

戦地であり政務の場にも〝城〟その役割とは

領地を支配する権力の象徴としての城。おもに戦国時代の山城はその役割として領内統治であったり、戦の先頭指揮を執る場所、領民の避難所として利用されていた。一方、天守閣があるような近世江戸時代の城は、城主のほか家臣たちが集まって政務を行うための場所として、いまでいう県庁のような機能を持っていたという。

三ノ丸まで含めた城全体で全国5位の広さを誇り、 東北. 地方で最も面積が広い城であった山形城の二ノ丸東大手門。

城を知れば見えてくる故郷の歴史

どちらの城にもそれぞれの時代を生き抜いた歴史があり、いまに受け継がれてきた遺構が残る。今回の特集取材に際しては専門的な知見を必要とするため、山形県内在住の城郭研究家、保角里志さんにアドバイスをいただきながら進めさせていただいた。「山形県内には地形を生かして造られた山城とその遺構が数多く残っている」と保角さん。地域を代表するそれらを巡りながら、我々の故郷に由来する歴史の旅へ、いざ出発するとしよう。

※特集参考資料として「山形のトリセツ」(昭文社、2022年)、「戦国山形の合戦と城」(無名舎出版、著、保角里志・著、2022年)、「南出羽の城」(高志書院、保角里志・著、2006年)、「山形の城」(さあべい同人会、保角里志・著、2017年)

gatta! 2024年7月号
特集|城郭の記憶

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