チマタの話題

2019.9.10

山形まなび館の再整備プロジェクト始動。

2019年10月号(180号)掲載

『山形まなび館』再整備の第1弾、試験的活用がスタート。

ユネスコ創造都市ネットワークに2017年に加盟し、地域に蓄積されてきた世界に誇るべきクリエイティブの地力を産業振興に生かす「創造都市推進事業」を進めている山形市。そのひとつとして、市立第一小学校旧校舎(旧一小)を振興の拠点として再整備する事業、「Q1プロジェクト(※1)」が始動した。

現状では、たくさんの人材が県外に流出しているなか、地域の企業がクリエイティブシフトすることで、これらの人材が地元に残れる環境を促進し、地域の企業とクリエイター、大学(教育機関)などを結びつけ、新たな仕事、新たな産業を創出する創造都市を目指す“拠点”をつくりだすのが目的だ。

 

山形市からの委託を受けた東北芸術工科大学が中心となり、手つかずの2、3階部分を含めた地上3階、地下1階の旧校舎をまるごと再生させるという大規模な計画だ。運営事業の本格始動は2022年度からという予定となっており、そこへ向けてのさまざまな実験やトライアルが、市民の意見も積極的に汲み取りながら実施されていく。

 

見学会で公開された旧校舎3階の一部。コンクリむき出しの状態から再整備していく。

 

こちらも旧校舎3階の一部。古いグランドピアノが置かれたままだ。

 

プロジェクトに関わる芸工大の馬場正尊教授ら講師陣が登壇したプレスリリースイベントの様子。

 

こだわりの選書とコーヒーがある交流空間「Day&Books」

このプロジェクトは、〈活用実験→調整工事→本格始動〉という3段階のロードマップで計画されており、その第1段階である活用実験のひとつとして7月末にオープンしたのが、芸工大でストアを運営する(株)金入と、ペンギン文庫、同大の学生ベンチャー企業『Day and inc.』の提案による、ブックカフェ『Day & Books』だ。

 

クリエイティブというテーマに基づいた選書やオリジナルグッズなどを展示販売するほか、一杯ずつ抽出するスペシャルティコーヒーも提供。当ストアで購入または持ち込みの本を読むことができる交流空間として、施設活用の可能性を模索するワークショップやトークイベントなど、クリエイターや地元企業を巻き込んだ試験的活用は徐々に活発化。「生活の中のクリエイティブを発見していく」を趣意にしたマーケット「CREATIVE CITY MARKET」や、「リノベーションスクール」、「クリエイティブ会議」が実施され、企画・誘致・運営に係る模索が進む。

 

※1/Q1(キューイチ)
1927年竣工の県内初の鉄筋コンクリートの校舎であり国の登録有形文化財にも登録された「旧一小」に由来した呼称。また、問いのはじまりの記号、学びやクリエイティブのはじまり、問いつづける営みの意も含まれる。

 

旧校舎の雰囲気を残した端正な内装。

 

東北芸術工科大学在学中に立ち上げたベンチャー企業『Day and inc.』代表の追沼さん自身が店に立つ。

 

学校の机や椅子も再利用。カウンターや家具などの什器も自分たちで造作したもの。

 

「ペンギン文庫」山田絹代さんの選書により定期的に変化していく店内書棚にも要注目。

 

右上/風味や香りなどコーヒーの特徴を引き立てるエアロプレス抽出。左上/リトルプレス、アート系、山形にかかわる本などカテゴリにこだわらない選書。下/同店で販売されているオリジナルのブックカバーやハガキ。

 

本の栞をモチーフにした『Day & Books』のロゴは店主の追沼さんが自ら考案したもの。

 

同敷地内にある現・山形一小の中庭を眺めながら読書ができる(持ち込み本、または同店で購入した本)

 

Day & Books(Q1プロジェクト)

山形県山形市本町1-5-19(山形まなび館内)
www.yamagata-q1.com
10:30〜18:00
毎週月曜(祝日の場合は翌日)


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