頼れるのは電車と自分の足のみ。新しい同郷を知る、観光ではない旅へ。

2023年10月号(228号)
特集|ローカル駅おさんぽ旅
JR陸羽東線(最上町)ほか

山形県民にとって移動手段の中心にあるのは〝車〟。だからあえて、鉄道の旅に出かけてみた。ローカル線ならではの滞在時間で、なにが発見できる?

歩かないと見えない、出会えない町の姿

まだまだ残暑は厳しいが、朝晩の風にはほんの少しだけ秋の香りが漂っている。そろそろ町ぶらやウォーキングを楽しめる季節だろうか。予定のない週末、自家用車のキーを携えてぶらり車旅も愉しそうだが、今回ガッタ編集部が提案したいのは、鉄道の旅。観光に拓けた町や商業の中心地ではない場所をあえて目的地にして、できれば普段あまり乗らないローカル線に乗ってみる。その理由は…乗ってみないと、自分の足で歩いてみないとわからない〝山形〟があるから。そこに流れているローカリズムを感じることは、新しい〝山形〟を知ることだから。

最上町本城地区を通る陸羽東線の踏切を歩いてわたる。東の方角に赤倉温泉の街並みが見える。

最上エリアの陸羽東線と西村山エリアの左沢線で

今回あえての鉄道旅に選んだ目的地は、JR陸羽東線で行く最上郡最上町と、JR左沢線で行く西村山郡大江町。降り立った駅はそれぞれ『最上駅』(もがみえき)と『左沢駅』(あてらざわえき)だ。最上駅へは新庄駅を始発駅として、左沢駅は山形駅を始発駅として乗車し、復路の電車時間までをどう楽しめるか〝おさんぽ〟してみることに。

電車に乗った瞬間からはじまる

車を走らせて目的地にたどり着く旅も気軽だし、楽しい。
しかし道中の景色をゆっくり愉しんだり、同伴する人とのおしゃべりに集中できるのは鉄道旅に軍配が上がるだろう。山あいを縫って走る線路や鉄道の車窓からしか望めない風景はそれだけで特別だ。またひとり旅ならその移動時間を読書にあてがうのもいいだろう。電車に身を委ねられるからこそ生まれる体験がきっとある。どんな出会いが待ち受けるか、ガッタ的〝ローカル線おさんぼ旅〟へいざ、出発進行。

JR東日本 新庄統括センター指導係
齋藤佳澄さん

「田園風景や果物畑、温泉などに囲まれた自然豊かな山形のローカル線。たまには電車の旅もいかかですか!のどかな景色やゆったり流れる時間があなたを癒してくれるはずです。いつもと違う特別な旅に出かけてみませんか」とは、JR陸羽東線の終着駅でもある新庄統括センターの齋藤さん。

車窓の景色はもちろん、ごとんごとんというジョイントを刻む音、加減速の感覚、駅のたたずまいから想像する街の雰囲気など、自分なりの楽しみも取り入れて旅を楽しんでみてはいかがだろう。

gatta! 2023年10月号
特集|ローカル線おさんぽ旅

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