電車の時間、徒歩という制約が、旅の密度を高めるスパイスに

2025年9月号(251号)
特集|ローカル駅おさんぽ旅#3
山形県内全域

すっかり定番化した路線旅特集第3弾。今回は真夏の庄内エリアへ初トライ。電車と徒歩で、密度の高い夏旅を愉しもう。

その地の息吹を肌で感じる真夏のおさんぽ旅

強い日差しが肌に刺さる。エアコンの効いた車に乗って移動していては、これほど山形の空や海、そして稲穂が陽の光に照らされている瞬間を感じ取ることができただろうか。スマホはバッグの奥へ押し込み、目の前の流れる景色を追いながら目的地へ向かおう。電車に揺られながら運ばれていく自分、そこで待っているであろう出来事への期待が加速していく。第3弾となる鉄道旅の夏編、行き先は初見参となった庄内地域の鼠ケ関駅と、話題豊富な村山地域の山寺駅、羽前山辺駅。

徒歩のスピードでないと見えない、聞こえないもの

鼠ケ関駅へは羽越本線で。車窓からの眺めが旅気分を盛り上げてくれる。また青々とした御山の情景麗しい山寺駅へは仙山線で。避暑地感覚でデイタイムを愉しもう。そして左沢線で行く羽前山辺駅では個性溢れる店が客人を待つ。歩くからこそ見える、聞こえてくる〝夏の扉〟をいざ開いて。

弁天島の先端には“恋する灯台”に選ばれた「鼠ヶ関灯台」がある
樹齢推定400年、全長20m。鼠ヶ関の住宅地にひっそりと、しかし力強く君臨する「念珠の松」
町内を流れる鼠ヶ関川にかかる橋梁を羽越本線が走る。視線のその先に日本海を感じるスポット
TsukiCoffee 山寺南院の限定で販売されている松尾芭蕉と立石寺が描かれたコーヒードリップバッグ
山寺駅に発着する仙山線が風景に溶け込み、旅の臨場感が増す。車窓からの眺めも美しい
山寺駅の近くにある『焔蔵』の夏の人気メニュー「冷たい鶏らーめん」で腹ごしらえ
2003年に竣工した須川橋梁。左沢線の車内からこの橋を渡る瞬間はまさに山辺町への入口、門扉を通るような気分を味わえた
『山辺町ふるさと資料館』の美しい庭園を抜けると、奥の座敷蔵でも企画展の展示が行われている

gatta! 2025年9月号
特集|ローカル駅おさんぽ旅#3

gatta! 2025年9月号
特集|ローカル駅おさんぽ旅#3

(Visited 45 times, 1 visits today)