ローカル駅おさんぽ旅(真室川駅編、赤湯駅編)

2024年6月号(236号)
特集|ローカル駅おさんぽ旅
真室川駅(真室川町)、赤湯駅(南陽市)

昨年秋にお届けした路線旅特集が好評だったので、お出かけシーズンまっ只中に第2弾を決行。今回は電車だから叶う“ほろ酔い”情報など街あるきならではの楽しみかたを中心に掲載。

歩いて見えた、出会えたその町を支える人々

雪国の春は美しい。月山や鳥海山といった標高の高い山々に残雪を感じつつも、地上に咲く木々や花々はこの時期一斉に芽吹きの季節を迎える。寒さに凍えて縮こまっていた体をほぐしてくれるのは外気だけでなく、山渓との対比が麗しい桃や桜、菜の花の姿。心まで一気に温めてくれるまばゆさだ。車のハンドルを握りながら通り過ぎるのではなく、そんな季節の移ろいを電車に乗ってのんびり眺めるだけでいつもの景色が違って見えるかもしれない。今回期待に胸を膨らませながらお届けする鉄道旅の春編の行き先は、最上地域の真室川駅と置賜地域の赤湯駅。

林業とともに歩んできた真室川町の象徴として「近代化産業遺産」に認定されている「森林トロッコ列車」。梅里苑前の体験の森敷地内に敷かれた一周約1キロメートルのレールの上を走り、有料にて誰でも乗車可能だ(2015年5月・gatta!編集員撮影)。

県北と県南の奥羽本線で“5分の1日”を過ごす

どちらもJR奥羽本線を使って、真室川駅へは新庄駅を始発駅に、赤湯駅は山形駅を始発駅として乗車し、復路の電車時間までを街ぶらしながら楽しんでみる。意識するのは〝初めての山形〟に出会えるかどうかだけ。そこに流れているローカリズムをひとつでも見つけることができたら、その町への親近感や愛着がきっと深まるはず。

あえて電車に乗るという非日常な選択をどう活かそうか。

いつもの交通手段である車を使えば、旅の行動範囲が広がる利点がある。しかし電車なら気兼ねなくおいしい酒やワインをいただけたり、歩かないと見つからないカフェや土産店に入ることができたり、旅先で出会った人たちと触れ合う時間も長くなる気がする。もし何かひらめいて途中下車したって大丈夫。降りた駅にどんな出会いが待ち受けるのか、ガッタ的〝ローカル線おさんぼ旅〟へ出発進行。

駅員さんからひと言

鉄道での移動は環境にもやさしく、車窓から見る風景や駅からの散策は列車旅の醍醐味です。歴史、文化、自然、魅力あふれる人との出会いが待っています。ローカル線に乗っていつもと少し違う山形を旅してみませんか。

JR東日本東北本部山形統括センター
佐藤和宏さん

gatta! 2024年6月号
特集|ローカル駅おさんぽ旅

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